みんなさん、こんにちは。モノづくり支援パートナーズの内藤です。
これまで食品工場のヒューマンエラーの要因等を述べてきましたが、今回はその対策を考えていきたいと思います。
ヒューマンエラーには、「個人に起因するもの」と「環境に起因するもの」がありますので、それぞれについて防止策を提示します。
1.個人に起因するヒューマンエラーの防止策
個人に起因するヒューマンエラーを防止するためには、なんといっても故意によるヒューマンエラーをなくしていくことに尽きます。やらなければいけないことを知っていたにも関わらず、手を抜いたり、ルールを守らなかったりすることをなくすことです。手抜きやルール違反の根っこには「何とかなる」という安易な考えがあります。「時間がないので確認をしない」、「見つからないだろうと思い必要な手順を省略する」、「現物を見ないで管理表にチェックマークを記入する」ことなどあってはならないことですが、実際には多くの現場で発生しているのです。その根幹には「最後には許される」と考えていることが原因です。さらにその原因を考えていくと、やらされ感、受け身体質があるのです。日頃から無理なことを押し付けられてきた反感から被害者意識が現場に蔓延し、主体的に現場を改善しようとする意識が低下していくのです。
そこで、受け身の社員を主体的な社員に変えていくことが根本的なヒューマンエラーの防止策になります。
そのためには、
①ワークエンゲージメントの向上のよるモチベーションの向上
②社員教育の充実によるヒューマンエラーへの意識向上
が必要になるのです。
2.環境に起因するヒューマンエラー防止策
環境に起因するものには、作業内容、物理的な負担、設備や機器の不具合、危険な現場環境など、ミスが発生する原因を取り除くことです。
そのためには、
①ヒヤリハット情報の収集と活用
②作業環境の改善
③ミス防止装置の導入
④標準作業手順書の整備
⑤チェック体制の強化
が必要です。
ヒューマンエラーを完全にゼロにすることは困難ですが、「エラーが起きにくい環境」、「エラーが起きても大きな事故につながらない仕組み」をつくることが必要なのです。そのためにも人的対策と環境対策の2つの視点で改善していくことが効果的なのです。
以上