製造業の改善を支援していると感じることの一つが、仕事の属人化が会社でのノウハウ蓄積や効率改善を阻害しているケースが多いということです。「属人化」というのは、例えば、加工のコツをその工程のベテラン作業者は知っているけれども、そのコツが作業手順書やチェックシート等の会社公式の帳票には記載されていないという状況であったり、過去に起こったトラブルとその有効な対策を、そのトラブルが起こった時に対策を話し合った人たちは憶えているけれども、作業手順書やチェックリストに反映されていないという状態です。
これで何が問題になるのでしょうか?属人化している場合、ノウハウや教訓は個々の作業者にあるので、異動や退職で失われてしまいます。また、ノウハウや教訓の保持は個々の作業者の記憶に頼ることになるので、曖昧になったり、長期間になると忘れてしまったりします。社内での横展開も難しくなるでしょう。仕事が属人化している状態であれば、工夫や改善は口頭で作業者に指示されるだけというケースが多いように感じます。これは指示する側もされる側も、作業手順書やチェックシートの改定を行うよりも楽なのでそうなってしまいがちです。
ただ、属人化状態のままではなかなか個々の作業者の能力やスキルに依存する状況から抜け出すのは難しく、個々の作業者としてではなく、会社としてノウハウを蓄積したり効率を改善するのはうまくいかないようです。そこには会社としての仕組みやルールが重要になってきます。製造業には様々な機能が求められ、それぞれに仕組みが構築されて、それを運用する中でノウハウ蓄積や効率改善を進める訳ですが、それらを簡便にチェックするために本ウェブサイトの診断システムを活用していただくのも良いと思います。