製造現場の生産効率を向上させるアプローチとして、生産計画と作業改善があります。ここでいう生産計画は受注案件をどの順番で、どの設備、どの作業者が処理するのかを割り当てる計画のことです。これを上手く行わないと、段取り替え回数の増大や、忙しい設備や作業者がいる一方で手待ちの生じる設備や作業者が発生したり、顧客への納期回答精度が低くなったり、作業者の作業ペースがゆっくりになってしまったりといったことがしばしば起こります。一方、作業改善とは、そもそも受注案件の処理にかかる時間自体を縮める取り組みのことを言っています。工具や作業環境の工夫、材料や仕掛品の配置等を地道に改善して、作業自体にかかる時間や労力を少しづつでも縮めていくのです。
どちらのアプローチも製造現場の改善には重要ですが、どちらも行っていなかった会社の場合、即効性があるのは前者の生産計画のアプローチである印象があります。一方で、後者の作業改善は少しずつ時間をかけて効果を発揮するイメージです。
現場の改善を進める時には、改善効果が目に見えるようにすることも、関係者のやる気を保ち、改善活動への理解を得るために重要なポイントです。生産高や効率性の指標を設定し、それが活動に伴って改善していることを掲示等で関係者に周知できれば良いでしょう。そして指標の数値が良くなっていっていることが分かれば、改善に取り組んでよかった、引き続き頑張ろう、と関係者が感じて活動の継続につながりやすく、さらなる成果を目指すモチベーションになるのです。